
英会話ヒトリゴト学習法
酒井穣さんの3冊目の著作です。
著作以外にも彼のブログNED-WLTの読者でもあり、記事もよく読んでいます。
酒井穣さんは、うっすらと感じていたことを言葉にしてくれていて、いつも感心させられます。
過去2冊は、中間管理職と戦略についてでしたが、今回は英会話です。
「次はなんで英会話なの?」と思い、今まで買わずにいました。
はじめての課長の教科書(酒井 穣)
あたらしい戦略の教科書(酒井穣)
「英会話」の本といっても、本書の新しい視点は「英語習得の具体的方法」にあるのではありません。
本書の新しい視点は「どうして英語を勉強した方がよいのか」という問いに対して、「内発的モチベーション」の点から解答が書かれている点です。
その解答は、「アルターエゴ(別の自己)形成」という仮説です。
著者の主張は、1言語1人格です。
同じ問題を考えても、日本語で考えるのと英語で考えるのとでは結果に差が出ることがよくある、とのことです。
すなわち、英語の習得で、他の学問の学習では得られない「もう1人の自分」で考えることができるとの仮説です。
英語習得の大きな意味が見い出せた気がします。
iPODでの学習がんばろう!とモチベーション上がりました。
以下、気になったところ
- 外国語を知らない者は、母国語も知らない(ゲーテ)
- 英語の読み書きができても、日本語の回路に依存した作業である限り、英語の回路は未発達でアルターエゴは出現しない
- 正確さと流暢さはトレードオフの関係 → 最初は流暢さを優先し、後に正確さを高める
- 日本語は漢字、カタカナ、ひらがなを併用する特殊言語で、内容語と機能語を音の強弱で区別しない特殊な言語
- 電話での英会話が難しいのは、内容語と機能語の区別を助けてくれるジェスチャーが見れないから
- 映像、スクリプトの揃ったアメリカ大統領の演説がよい 「外国語広場」http://www.gaikoku.info/english/president.htm
- イメージトレーニングは、実際の学習効果と比較し、3割の強度になる
- 「なぜなぜ5回」で問題の根本原因(root cause)を探る
- Informationは生データ、intelligenceはinformationを取捨選択し分析者の解釈なども加わりinformationから何歩もプロセスが進んだもの
- Intelligenceの評価軸: ①timely, ②tailored, ③digestible(easy to digest), ④clear regarding the known and the unknown
- プラトー現象(高原現象): 学習内容・方法が正しいのに、効果が見られない状態、「歯をくいしばって越えるべき壁」
- 他人との会話は、意味交渉(negotiation of meaning)
- 英文法を形式知(explicit knowledge)を暗黙知(implicit knowledge)に変える
- 留学はイマージョン学習を
- イマージョン(immersion)学習: 英語を使って特定テーマを学ぶ
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